PMSはホルモンバランスの崩れが原因と考えられています。PMSが重くなりやすい人はストレスが大きい人や日頃から精神が抑圧されている人が多いとされ、リラックス方法を見つけ心を安定させることが改善方法とされています。症状が重い場合は病院を受診し薬の処方を受けましょう。
PMSには身体症状の他に精神症状も多く見られ、ホルモン療法をしてもそれらの改善が見られない場合には、抗不安薬などの精神的治療が有効です。実は、PMSではセロトニンの分泌量が減ることがあります。抗不安薬ではこのセロトニンを増やすので、カウンセリングなどの治療と共に、効果を発揮してくれるでしょう。
PMS(月経前症候群)は排卵から月経前に起こる不定愁訴の総称です。その症状は、イライラ、涙が出る、憂鬱になる、集中力できないなどの精神的なものから、乳房痛、疲労や頭痛、眠気、むくみ、腰痛や肩こりなどの肉体的なものまで様々です。月経が始まるとこれらの症状は消失します。PMSの症状は女性ホルモンの影響に、体質や性格、ストレスなどの要因が加わって出現しているのではと言われています。排卵後から月経前に分泌される黄体ホルモン、プロゲステロンは妊娠を助けるホルモンですが、水分を保持する働きがむくみとなったり、インスリン低下作用が低血糖を招き、イライラ、体重増加へつながったりと、不快な症状を引き起こす原因にもなっているようです。また、この時期、卵胞ホルモンと言われるエストロゲンが低下するのに伴い、幸福感を感じるセロトニンの分泌量が低下するため、精神症状や頭痛がつながっていると考えられています。精神症状がひどい場合はPMDD(月経前不快気分障害)と言われ、日常生活が送れないほどひどい症状が現れる人もいます。人ともめ事を起こしてしまう、仕事でミスをするなどの背景にPMSが隠れていることも少なくありません。大切なのはまず不快な症状に周期性があるか、自分の心身を観察すること。PMSかもしれないと感じたら、セルフケアを試してみること、つらい場合は迷わず受診することです。
不快な症状がPMSかもしれないと感じたら、まず一番最初にしたいのは無理をしないこと。過度のストレス、不規則な生活、偏った食事などは症状を悪化させる要因となります。自律神経も乱れてしまいますので、なるべくゆったりと過ごすことを心がけましょう。アルコールや塩分、カフェインはむくみを助長し、交感神経を刺激しますので、控えめにしましょう。チョコレートやケーキなど甘いものは、血糖値を急激に上げますので、少なめに。喫煙もホルモンバランスを崩しやすくなるので、できれば禁煙につとめたいものです。適度な運動も効果的です。ヨガやストレッチで体をリラックスさせると、副交感神経が優位になり、体が休まります。また、朝日を浴びたり、ウォーキングや深呼吸など、一定のリズムで行う運動は、セロトニンの分泌が増えるのでおすすめです。便秘になる人は食物繊維の多い食事を心がけましょう。アロマやぬるいお風呂にゆっくりつかる、自分の好きなことをするなど、この期間は無理せず、心身が喜ぶことをしてあげましょう。そして、つらい場合は我慢せず婦人科を受診しましょう。医療施設では低容量ピルや漢方薬による治療を受けることができます。精神症状が強い場合は精神安定剤や抗うつ剤が処方されることもあります。いずれにしても、一人で抱え込まず、相談することが症状軽減へつながる第一歩です。
女性特有の生理においてPMSという生理前の不調を訴える場合があります。女性ホルモンのバランスや量の変化が要因となりますが、身体的不調や精神的不調など200種類以上の症状が出ます。PMSを似た症状もあるので注意が必要です。